「伝えたい」を伝わる形に。 株式会社高速オフセット

水なし印刷

水なし印刷

廃液を出さない画期的な技術
環境にやさしく、より高精度で美しい仕上がり

■ 水を全く使用せずに印刷
一般に行われている「水ありオフセット印刷」は、文字通り印刷工程において水(俗に湿し水といい、H液(※1)やIPAなどの有害物質が含まれています)を使用し、その水が油をはじく性質を利用してインキがつかない部分を作り出しています。
「水なし印刷」は、刷版の版材がインキをはじくという特性を利用し、インキのつかない部分(シリコン層)を作り出すことから、水を全く使用せずに印刷することが可能です。

このシリコン層現像工程は、回収廃液が発生しない水現像方式ですので、現像液使用量・廃液量も大幅に低減できることから、環境に配慮した印刷方式と言えます。

水あり印刷と水なし印刷の違い

水あり印刷と水なし印刷の違い

※1 H液:湿し水に添加する大幅に印刷力を引き上げる薬品。H液にはバクテリアの好餌となる有機物質がふんだんに含まれている。
※2 BOD:水中の有機物が微生物によって一定時間内に酸化分解される時に必要な酸素量を表す。
有機物による水の汚染度を表す目安として生物化学的酸素要求量と呼ばれている。
※3 COD:水中の有機物が酸化剤で化学的に酸化分解される時に必要な酸素量を表す。有機物による水の汚染度を表す目安として化学的酸素要求量と呼ばれている。

印刷時の廃液が発生しない優れた環境適応性

印刷時の廃液が発生しない優れた環境適応性

通常の印刷(水あり印刷)で使用している湿し水には、H液やIPA(イソプロピルアルコール)などの有害物質が含まれており、常に大量の有害物質を使用しているのが現状です。表の比較試験結果では、「水あり印刷」の湿し水から下水廃水基準値(600 mg/L)の約34倍ものBODを検出。CODも限定基準値をはるかに超えた数値が検出されました。これに対して「水なし印刷」は 、有害な廃液を含む湿し水を一切使用せず、現像工程の現像液使 用量・廃液量も大幅減。環境への負荷が格段に少ないことが明らかにされています。

数々の法規制をクリアした21世紀標準へ

数々の法規制をクリアした21世紀標準へ

「水なし印刷」の環境保全における利点は、湿し水を使わないことや現像工程の薬品処理・水洗いなどで発生する廃液を大幅に削減できるだけではありません。水質汚濁防止法などの遵守はもちろんのこと、化学物質管理促進法、グリーン購入法、ISO14000シリーズの対策として採用件数を伸ばしています。水質汚染が大きくクローズアップされている今、環境対応を図るためには廃液をださない「水なし印刷」こそ、時代にふさわしい印刷方法なのです。

水なし印刷で、より高精細に、より美しく

「水なし印刷」は、「水あり印刷」と違ってインキが水でにじむことがありません。よって、「水あり印刷」ではどうしても避けることができなかったドットゲインによる色調の変化も「水なし印刷」では解消。点の一つひとつがくっきりと再現され、高精細で美しい仕上がりの印刷物を得ることができます。さらに、凹凸の大きい上質紙やマット紙、和紙などの場合でもデータどおりの円形のアミ点を用紙上に確実に再現。より美しい印刷物、より正確な印刷物を求めると、答えは「水なし印刷」にたどり着きます。

水なし印刷で、より高精細に、より美しく

About the“WPA” 
水なし印刷を奨励する世界規模の環境保全団体

■ WPA結成背景
1978年、アメリカで産業廃棄物を下水道に排水する取り締まり強化のための条例「事前処理基準」が制定されました。それから14年後、バージニア州環境改善局はプロモーションビデオを作成し、「水なし印刷」を奨励。行政が印刷業者に対し、規制厳守につながる「水なし版」の使用を啓蒙するという画期的なできごとが起こりました。
■ WPA結成
このキャンペーンはたちまち全米の印刷業者を刺激。その結果、1993年9月に印刷業者40社、機材メーカー27社が米国シカゴ に結集し、「水なし印刷」の採用を啓蒙する団体であるWPA(Waterless Printing Association)が結成されました。水なし印刷のシンボルであるバタフライマークは、「水なし版」を使い、環境保全に積極的に取り組む印刷会社にのみ使用が許可されるマークです。
■ EWPA
1997年、印刷技術のメッカにして環境保全大国ドイツでも水なし印刷を実施してきた印刷業者が立ち上がりました。デュセルドルフで結成されたEWPA(Europa Waterless Printing Association)は、結成3年間で、数多くの印刷会社が会員となっ ています。
■ 日本WPA
WPAが水なし印刷を認証するウォーターレスマークは、R100やSOYINKなど、環境ラベルと同じように行政や企業、そして印刷業者からマーク取得の気運が高まってきました。2001年の「環境報告書」で初めてウォーターレスマークを掲載したトヨタをはじめ、日産、国土交通省、オムロン、セイコー電子などの企業や行政が発信する印刷物にウォーターレスマークを掲載しており、水なし印刷を指定する企業が増えてきております。昨年のJGAS2001において、凸版印刷をはじめとする日本全国のWP A加盟印刷会社約20社が集まり、日本のWPA活動の第一歩を踏み出しました。そして2002年5月、日本WPAとして正式に発足し、水なし印刷を通じた環境保全、事業発展、延いては印刷業界全体の発展に向けて、様々な活動に取り組んでまいります。
WPAマーク

WPAマークの蝶は、オオカバマダラ(Monarch Butterfly)といい、世代を超えて渡りをすることで有名で、カナダの国虫にもなっています。この蝶は北米の東側半分に分布し、夏の間は、カナダ中部付近で生息していますが、秋になると北米から3800kmも離れたメキシコまで南下して集団で冬を越し、春になると分散し、世代を繰り返しながら北上するという生活をしています。最近では公害や開発の影響で、エサとなる樹木が減少し、その生息域も年々少なくなっています。

オオカバマダラの生息図

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