※こちらのコラムは先日公開した「ザンビア現地視察レポートvol.1」のvol.2になります。
前回のvol.1では、
・バナナペーパー工場のあるエンフエ村の紹介
・バナナペーパーの元となる茎繊維が日本にとどくまでの商流
・バナナペーパーから生まれた工場で働くチーム員の皆さんの声
を中心に紹介しました!
まだ読んでいないという方は下記からぜひご覧ください!
vol.1を見る前に、バナナペーパーについてまず知りたい。という方はこちらの記事がおススメです。
皆さんは、バナナペーパー工場で働くチーム員の方々が「日本に輸出するバナナの茎繊維だけ」を作っていると思っていませんか?
私もザンビアへ行く前はそう思ってました。
バナナペーパー工場に行って私はびっくりしました。
チーム員の皆さんは、ザンビアだけで販売している「和紙」を作ったり、ヨーロッパへ出荷用のバナナのファイバーシート(茎シート)の製造も日々行っていたんです。
今回は日本の私たちが使うバナナペーパーだけではない世界をご紹介します!
和紙技術を用いた「Made in Zambia」の用紙
こちらがザンビアで作っている用紙。
日本で見るバナナペーパーとは全然違いますよね。
バナナの茎がたくさん入っているためか少し色も茶色い感じ。
並べてみると・・・1枚1枚色も違ってハンドメイド感があります。
日本で使われているバナナペーパーは、ザンビアから運ばれてきたバナナの茎繊維とFSC®認証パルプを混ぜて越前の和紙工場で製造されています。なのでこれは、「Made in Zambia & Japan 」です。しかし、今回ご紹介する用紙はパルプもザンビアで調達したもので、バナナの茎繊維を混ぜて作られています。これこそ本当のMade in Zambiaなのです!
じつはこの用紙は、工場の近くにある「フェアトレード雑貨店」で販売されているんです。表紙にあるデザインは雑貨店の方が1つ1つデザインして作っています。なんともかわいい。お土産にもぴったりで、私もついつい買ってきてしまいました。
この和紙は⑦の和紙製造工場で作られています
これが、紙の元となるパルプを作る機械
ここにパルプの原料を入れるのですが、その原料はエンフエ村の小学校や空港、お店などからでた古紙を回収してパルプにしています。なので、この用紙は100%再生紙なんですよ!
パルプはこんな感じ。なんだかドロッとしています。
これを手漉き和紙の製造工程と同じようにバナナの茎繊維が混ざったパルプ原料をすくいます。
すくったパルプを板の上に置き、1枚1枚丁寧に空気を抜きます。
空気が抜けたら、表面にかけていた布を取り・・・完成です!
これを乾かすとこのような感じになります。
今回の視察ツアーでは厚みが薄いタイプでデモンストレーションをしてもらいました。
よく紙を見てみると、茎繊維はもちろんですが「v」や「D」など英語が見えます。古紙ならではの特徴ですね。
ザンビア現地で作られるバナナペーパーは、古紙の感じやバナナの繊維がしっかりと見えてとってもかわいいですよね。このバナナペーパーが欲しい!と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
残念なことにこれが日本には輸出してなくてエンフエ村にあるフェアトレード雑貨店でしか購入できないんです・・・!なんともレアな一品。ザンビア・エンフエ村の工芸品なのです。
欲しいかたはザンビアまで行ってみてください!(笑)
ヨーロッパへ出荷するファイバーシートとは?
実は、バナナペーパーは日本だけでなく、ヨーロッパをはじめとした世界中に広がりつつあります。
右が日本へ出荷されて届いたバナナの茎繊維。左がヨーロッパへ出荷するときのバナナの茎繊維です。
なぜ納入形態が違うのかを聞いてみると、抄造の方法が国によって違うからだそう。
用紙の製造技術って、奥が深いですね!
ザンビアのバナナペーパーは世界中で注目されつつあります!
ザンビアのバナナペーパーは決して日本だけで活用されているわけではありません。
そして、少しずつですが世界の25カ国からバナナペーパーを使いたい!というお問合せをいただいたりして、世界的に認知を広げている用紙なんです。
「バナナペーパー」という共通語
で世界とつながることができたら、それってとってもワクワクしてきませんか?
今後も世界中にザンビアのバナナペーパー(One Planet Paper®)が広がっていくために私たちは取り組んでいきます!
バナナペーパーの需要を増やし、世界中にバナナペーパーを広げていきます
バナナペーパー現地視察~和紙製造工場編~いかがでしたでしょうか。
日本で暮らしていると日本で使う用紙しかどうしても目に入りません。ですが、ザンビア現地、そして世界に広がっている用紙の製造方法を見ると、1枚の紙を通して世界中がつながっていることが分かります。
バナナペーパー工場で働くザンビア・チーム員の皆さんも、日本のバナナペーパーの活用例を見て、「この仕事はとても貴重で誇りだ」と話してくれました。
日本の私たちがバナナペーパーを使うことで、チーム員と家族の暮らし、その周りのバナナ農家の方の雇用が守れる。そしてそれが、密猟など犯罪に手を出さない暮らしに繋がっているんですよ!
今はまだ小さな動きかもしれませんが、1枚の紙をきっかけにたくさんの人の気持ちが動くことで、ゆくゆくはザンビアにいる野生生物を守り、森林を守り、私たちの地球を守ることに繋がっていく
と私は信じています。
引き続きバナナペーパーの魅力をはじめ、紙を通して様々なサステナブル製品を研究していきます。ぜひ、何かございましたらお気軽にお問い合わせください。
バナナペーパーをもっと知りたいと思ったら
ザンビア・バナナペーパー工場で働く人々の声や、バナナペーパーを取り入れたことによる変化を1冊の冊子に仕上げました。無料で郵送していますので、ぜひお気軽にお申し込みください。
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