「伝えたい」を伝わる形に。 株式会社高速オフセット

古紙リサイクル適性ランクとは?印刷物はリサイクルしやすい素材を選んで作ろう

2022.12.02

古紙リサイクル適性ランクとは?コラムサムネ

高速オフセットは、企業や団体の販促物に使う「商業印刷」を多く取り扱っている総合印刷会社です。
「商業印刷」として挙げられる印刷物は、ポスターやチラシ、広報誌など。消費者の手に渡り、販促や広報など伝える目的が終われば廃棄されるものがほとんどです。

廃棄・・・つまり「ゴミ」になること。

私たち人間の作り出したものが、いつかは「ゴミ」になってしまうことは仕方がないことです。

ですが、日本は、古紙に関しての回収システムが整備されており、利用率・回収率は世界でもトップクラスにあります。
参考:日本製紙連合会|製紙産業の現状|古紙

私たちが今後も地球で気持ちよく健康に生きていくために、「ゴミ」をできるだけ少なくし、世界トップクラスの古紙回収技術を生かして、「リサイクル」を今後も発展させたいですよね。

皆様は、印刷物にも「リサイクルできる印刷物とできない印刷物」の基準があることを知っていましたか?
本日は、リサイクルできる印刷物の基準となる「古紙リサイクル適性ランク」についてご紹介いたします!

古紙リサイクル適性ランクとは?

「古紙リサイクル適性ランク」とは、一般社団法人日本印刷産業連合会が定めた、古紙のリサイクル適性を4段階で分類したものです。

ランクは以下のようにAランク~Dランクに分かれています。

古紙リサイクル適正フロー

Aランク:紙・板紙へのリサイクルにおいて阻害にならない

Bランク:紙へのリサイクルには阻害となるが、板紙へのリサイクルには阻害とならない

Cランク:紙・板紙へのリサイクルにおいて阻害となる

Dランク:微量の混入でも除去することができないため、紙・板紙へのリサイクルが不可能になる

 

印刷物に使われる「紙」「インキ」「加工資材」のそれぞれの材料は、全て上記Aランク~Dランクに分類されます。

この分類では、Aランクの資材のみで作られた印刷物は「紙」にリサイクルができます。
Bランクの資材が混ざった印刷物は「紙」へのリサイクルはできず、ダンボールなどの「板紙」にリサイクルされます。
AランクとBランクは古紙回収として廃棄が可能です。
しかし、CランクやDランクの資材が混ざると、「紙」にも「板紙」にもリサイクルができない「燃えるゴミ」となります。

古紙リサイクル適性ランクの具体的な資材は?紙・インキ・加工での違いをチェック

では「紙・インキ・加工資材」で各資材がA~Dのどのランクに分類されるか具体的に見ていきましょう。

 

紙の古紙リサイクル適性

紙だと、ほとんどの「白紙」は古紙リサイクル適性Aランクになります。ただ、「水色」や「レモン色」など薄い色がついた用紙はBランク、そして、「黒色」や「赤色」など濃い色の用紙はCランクに該当する場合が多いです。香りのついた「芳香紙」など加工紙はDランクに該当します。

紙の色によるリサイクル適性ランクの分け方例

リサイクル適性について気になる方は、使用する「用紙メーカー名」と「用紙銘柄名」を印刷会社の担当者に聞いてみましょう。

色のついた用紙

 

インキの古紙リサイクル適性

高速オフセットで現在多く取り扱っている「オフセットインキ」は、古紙リサイクル適性Aランクになります。
Bランクに該当するのは、特殊な印刷の時に使われる「UVインキ」や「蛍光インキ」など。また、香りのする「芳香インキ」はDランクに該当します。

こちらもインキメーカーによって適性ランクが変わってきます。また近年では、Aランクの「リサイクル対応型UVインキ」も開発されています。

高速オフセットでは特にご依頼がない場合、特殊なインキ以外は適性Aランクを使用していますが、気になる方はまず印刷会社等へ相談してみましょう。

 

加工資材の古紙リサイクル適性

加工資材とは、例えば中綴じなどに使われる針金や、無線綴じなどに使われる糊が該当します。よく誤解される例として、「針金は環境に悪く、糊の方が環境に良いのでは?」ということです。これは意外にも、針金はAランクで環境に悪くありません。一方、糊は糊の成分によってAランクかBランクに分かれます
また、PP加工や、箔押しなど表面加工はBランクに該当します。布類やプラスチック等の異物での装飾加工はCランクとなりますよ。

マーメイド用紙に箔押し
※箔押しのイメージ

詳しくは、リサイクル対応型印刷物製作ガイドライン(平成26年9月改訂版)にも記載されていますので、参考にしてみてください。

古紙リサイクル適性ロゴマークを掲載して、正しい分別方法を伝えよう

ここまで古紙リサイクル適性Aランク~Dランクに該当する資材を具体的に見てきました。

ただ、せっかくリサイクルを気にして印刷物を発行しても、印刷物を手に取った人に正しい廃棄方法が伝わらなければ意味がありませんよね。
もしかすると、正しくリサイクルされない場合もあるかもしれません。

正しい廃棄方法を伝えるためには、印刷物に「古紙リサイクル適性ロゴマーク」をつけることをおすすめいたします。
こちらは、AランクまたはBランクの資材を使用した場合のみ、印刷物に掲載ができますよ。

▼古紙リサイクル適性Aランクの資材のみ使用の場合

古紙リサイクル適正ランクAマーク

▼古紙リサイクル適性AまたはBランクの資材のみ使用の場合

古紙リサイクル適正ランクBマーク

印刷物の仕様はリサイクルしやすい素材を選びませんか?

記事の冒頭で、「古紙リサイクル適性はAランク~Dランクまである」と初めて聞いた方は、「紙やインク、加工すべてAランクを使用しないといけない」と思ったのではないでしょうか。「特殊な加工や特殊紙の使用もしてはいけないの?」と思われた方もいるかもしれません。

いいえ、決してそんなことはありません!
Bランクでも段ボールや包装用紙など、板紙としてリサイクルは可能です。
印刷物の仕様を決める際はできるだけAランクまたはBランクのものを選ぶことをぜひ意識してみてください。

高速オフセットでは、環境に優しい印刷物を推進しております。
下記のバナーより、ぜひ高速オフセットのSDGsに対する取り組みをご覧ください。

 

 

 

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