みなさんは、グリーン購入法って知っていますか?
初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?
グリーン購入法は2000年5月に環境省によって制定された、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」です。
近年では一般の企業もSDGsなどの取り組み意識の高まりから、FSC®認証紙や古紙などの「環境対応用紙」を選択される方が多くなってきましたね。
しかし、約20年以上前から環境省を筆頭に、国や地方自治体などの公共機関は環境負荷が少ない製品を選ぶ(グリーン購入法)を推進していたんです。1986年から約35年以上印刷物を取り扱っている高速オフセットでは、広報誌を中心に多くの自治体との取引があり、過去に何度もグリーン購入法に沿って印刷物を提案・発行してきました。
一見難しく感じるグリーン購入法ですが、実は2023年12月に基本方針の変更が閣議決定されました。以前よりも適合製品の選ぶ幅が増え、より一層グリーン購入法に沿った印刷物を取り入れやすくなったのです。
今回は、グリーン購入法とは?という基本の部分はもちろん、改定されたポイントや実際の用紙を皆さまへお伝えできればと思います!
目次
1.グリーン購入法とは?
グリーン購入法とは環境省が定める法律です。国等の各機関が物品を購入する際は、一定の基準に沿って、積極的に環境負荷が少ない商品を選ぶことを推進している法律です。
参考:グリーン購入法について|総合環境政策|環境省
2.グリーン購入法が改定!基本方針の変更により他の用紙も選べます
そんなグリーン購入法ですが、2023年12月に基本方針の変更案が閣議決定されました。
印刷用紙としての大きな変更点としては、以前までは「古紙配合率70%以上」の用紙を調達することが規則となっていましたが、今後は、「古紙パルプ配合率の最低保証の撤廃、「管理木材パルプ」 を新たに区分し重みづけを0.75に設定等」となりました。
参考:特定調達品目及び判断の基準等の改定一覧
つまり、古紙が配合されてなくても、第三者認証機関によって検証された木材を原料とするパルプ(例:FSC®認証紙など)も容認される場合があるということです。
参考:環境物品等の調達の推進に関する基本方針 p19
「古紙配合率70%以上」という基準が撤廃された背景には、古紙需給環境の変化が大きな要因からきています。古紙の原料となる代表的なものとしては「古新聞」などがありますが、新聞購読者の減少に伴い、古紙も減少しています。
時代の変化に沿って、環境対応の基準も変化しているということのようですね。
3.グリーン購入法適合用紙一覧を調べるならここから!
では、どういった用紙銘柄がグリーン購入法に適合しているのでしょうか?
探すのに一番確実なのは、各製紙メーカーのウェブサイトを見ることです。
環境省のホームページには、グリーン購入法の判断の基準を満たす製品について、各製紙メーカーの用紙がまとめてUPされていました。
参考:印刷用紙に係る情報提供について|環境省
この中のサイトを見れば、以前の基準とは違って、古紙配合率が0%でも、グリーン購入法総合評価値が80%以上あればグリーン購入法に適合していることがわかります。
4.FSC®認証製品もグリーン購入法適合に
FSC®認証紙とは、FSCが定めた規定をもとに、社会的・経済的・環境的に適切に管理されていると認められた森林から生産された木材や、再生資源などを使用した用紙です。
古紙配合率の制限が撤廃されたことから、FSC®認証紙も総合評価値が80%以上になる可能性が高くなり、グリーン購入法適合の用紙が増えました。
印刷会社としても、古紙配合用紙よりもFSC®認証紙の方が、安定して用紙の供給ができるため、安心してお客様へご提案できるのも嬉しいポイントです!
ただ、全てのFSC®認証紙を用紙メーカーがグリーン購入法に適合しているかを公式で発表しているわけではありません。気になる用紙がもしある場合、グリーン購入法適合かどうかを判断するには、当社のような印刷会社から用紙メーカーに聞くことができますので、お気軽にご相談ください。
5.【厚みから比較】グリーン購入法でおすすめの用紙は?
では、高速オフセットがおすすめする、比較的調達しやすいグリーン購入法適合用紙を5点ご紹介します!
●広報誌や機関紙などにおすすめの薄紙用紙
①コピー用紙のような光沢のない上質系なら、ユトリロ上質
【グリーン購入法総合評価値80%】
塗工をしていないので王道の上質っぽい風合いがある用紙。比較的白いので印刷の着肉性にもすぐれています。
52.g/㎡~と広報誌にもよく使われる薄さから、157g/㎡と冊子の表紙にも使われる厚みまであり、ラインナップ豊富。
※写真はイメージです。色味などは実際の用紙をご覧ください。
②光沢・艶のあるコート系なら、エクセルスーパーB
【古紙配合率10%以上、グリーン購入法総合評価値87%】
古紙が配合されているためか、白色度や表面の光沢が一般的なコート紙に比べて少なく、文字が見やすいため、チラシ印刷にも向いている用紙です。
厚みも48g/㎡~58g/㎡までと薄紙に特化した用紙です。
※写真はイメージです。色味などは実際の用紙をご覧ください。
③マット系なら、ユトリロLグロスマット
【グリーン購入法総合評価値85%】
こちらは古紙を配合していないので比較的白色度のある用紙です。マット系の薄紙の中でも当社としても印刷実績が多い用紙です。
厚みは60.2g/㎡~69.9g/㎡と広報誌や機関紙にも適したラインナップがあります。
※写真はイメージです。色味などは実際の用紙をご覧ください。写真はFSC製。FSC製は要在庫確認となります。
●冊子やリーフレットにおすすめの用紙
④ニューVマットFSC®-MX
【グリーン購入法総合評価値100%】
グリーン購入法でFSC®製品ラベルを付けたい、FSC®認証製品にこだわりたいという方におすすめの用紙。マット紙なのでデザインに左右されず、リーフレットなどにも活用しやすい用紙です。
厚みも四六判で65㎏~135㎏まであるので使いやすいですよ。
※写真はイメージです。色味などは実際の用紙をご覧ください。
⑤ホワイトニューVマットFSC®-MX
【グリーン購入法総合評価値100%】
④のニューVマットよりもさらに白いのがこの用紙。白さにこだわりたいという方はぜひ比較検討してみてください。
※写真はイメージです。色味などは実際の用紙をご覧ください。
6.古紙リサイクル適性ランクもグリーン購入法の判断基準の1つ⁉
古紙リサイクル適性ランクについてもグリーン購入法に適合するかを判断するための大切の知識の1つです。
環境物品等の調達の推進に関する基本方針のP218にあるように、グリーン購入法に該当した印刷物を作る場合は、古紙リサイクル適性ができる限り「Aランク」になるような印刷仕様で検討していくことが大切です。
さらに、色上質紙を使う際は特に古紙リサイクルランクを気にする必要があります。
こちらは大王製紙の色上質ですが、大王製紙のホームページによると、 「グリーン購入法適合色は、『色上質紙の古紙リサイクル適性ランク』 のAランクが該当色となります。」とのこと。
参考:大王製紙株式会社(判断の基準を満たす製品)
平成22年4月5日現在の『色上質紙の古紙リサイクル適性ランク』 のAランクは、該当色が下記となっていました。
アイボリー、浅黄色、うす水、うすむらさき、京むらさき、銀ねず、コスモス、さくら、しろ、空、藤、ブルー、水、桃、ラベンダー、レモン、若草
色上質を選ぶ際は、色によってグリーン購入法適合するか否かが決まりますし、状況によって在庫が少ない用紙もあるかもしれません。事前に印刷会社で確認を依頼することがおすすめです!
官公庁や自治体広報誌などの実績多数ありの高速オフセット
高速オフセットでは、自治体広報誌など大ロットの印刷物が得意なオフセット輪転機や、チラシ・リーフレット・ポスターなどを小~中ロット印刷が得意な枚葉機などの印刷機を自社に保有しています。
更に、2008年にFSC®認証を取得し、水なし印刷機の導入や、環境対応用紙の推進など積極的に環境対応印刷についてご提案してまいりました。
印刷の専門的な知識はわからないけど、環境対応印刷に切り替えたい、グリーン購入法適合印刷を発注したいなどございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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