近頃、円安や原油価格の高騰が続き、印刷業界においても値上げの動きが見られます。
高速オフセットでは特に、チラシを印刷しているお客様から「値上げに対して何とか価格を抑えられるアイデアはないか」とご連絡いただくことがあります。
日本製紙は10日、印刷用紙と情報用紙の価格を2023年2月1日出荷分から引き上げると発表した。上げ幅はそれぞれ15~25%。原燃料価格の高騰や急激な円安を背景とした製造コストの上昇分を製品価格に転嫁する。
(日本製紙、印刷・情報用紙値上げ 23年2月から|日経経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB107120Q2A111C2000000/
高速オフセットでは、特に大手企業様の印刷物を得意としていて、100万部以上の大量印刷も請け負っているのですが、100万部を超える印刷物となると「コスト」の面を気にされる相談が多く寄せられます。
そして、特に最近寄せられるのが、「コストダウンしたいから用紙の厚みを今よりも薄くしたいんだけど・・・」という用紙のご相談。
確かに用紙を薄くすることでコスト減などのメリットはあるのですが、その反面、実はデメリットもあるんです!
こちらのコラムでは、チラシの用紙を薄くすることでのメリット・デメリットを改めてご紹介いたします!
チラシを薄い用紙に変更するメリット
では始めに、薄い用紙に変更することのメリットを見ていきましょう。
メリット①:コストカットができる
こちらは皆様がはじめに思いつくことかと思います。
用紙を薄くすることで用紙代が削減できるのと大量印刷の場合は重量が軽くなり、輸送コストを削減できます。
ただ、コストカットといってもかなり安くなる、というわけではございません。
100万部を超える大量ロット印刷は、全体費用に対する用紙価格の割合が多く生じているため、用紙を薄くすることで大きくコストカットが見込める場合がございます。
一方で10万部程度のロット数だと、全体費用に対する用紙価格の割合が少なく、大きくコストカットを見込めない場合も。
その場合は、用紙を変更するよりも「部数を変更する」方が良いこともあります。
一番大きくコストカットができる策は、チラシのサイズや用紙、印刷機によって変化します。ぜひ、担当の印刷会社の方にご相談いただくことをおすすめします。
メリット②:保管場所が少なくて済む
用紙を薄くすると、1つの梱包によりたくさんのチラシを入れることができます。その結果、全体の梱包数が少なくなります。
折込チラシやポスティングチラシなどでは、数回分のチラシを一度に印刷する場合もあると思います。保管場所が削減できるため、保管在庫代の削減にも必然と繋がります。
薄い用紙に変えるメリットまとめ:
薄い用紙に変更することのメリットは、やはりコストカットへの比重が大きいです。
チラシを薄い用紙に変更するデメリット
つぎは、想定できるデメリットを見ていきましょう。
デメリット①:裏抜けが発生する
「裏抜け」という言葉を皆さんはご存知でしょうか?
こちらが裏抜けをしているチラシの例です。
裏抜けとは…用紙の裏までインキが浸透し、裏から印刷絵柄が映って見えることです。
人の顔などであれば、裏面に印刷している文字がかぶってしまい、色映りが悪く感じます。これが絵柄の濃度が濃いデザインであれば尚更悪くなります。
デメリット②:紙にコシがなくなり、シワになりやすい。チラシ掲載の商品イメージに影響する場合がある
用紙の厚みを変更すると、特に手触りや受け取った時の印象が変わります。
例えばご自宅にチラシが折り込まれていた時に、薄いチラシだと他のチラシにくっついていたり、すぐ折れ曲がったり、雨の日は受け取った時点でへたっていたということはありませんか?また、手に届いた時にはチラシが波打ってシワになっていることはありません?
印刷物は、必ず手に取ってもらわなければ見てもらえません。
用紙の厚みという小さな変更でも、受け取ってもらえる機会を失う可能性があります。
ちなみに、社内でもこんな声がありました。
そういえば、私のポストにもよく住宅のチラシが入ってくるなぁ。 子育て世代が多いマンションに住んでいて、モデルハウスの見学の告知が多いんだけれど、やっぱりしっかり厚みのあるチラシの方が高級感を感じるかも。 一軒家ってすごく勇気のある買い物だから、あまり安さを売りにしている業者に頼みたくなくて。 ペラペラの薄いチラシだと、安っぽいなと思ってしまうかも。
あくまで社内の(印刷事業にあまり関係のない部署の)声ですが、みなさんも薄い紙と厚みのある紙を見ると、印象が変わるのではないでしょうか?
高級感をうたいたい場合は、薄い用紙はあまりおすすめできません。先ほどの「裏抜け」の事例もそうですが、ブランドイメージの低下の恐れもあります。逆に、「安くなる」ことをうたう場合であれば、薄い用紙の方が印象に残るかもしれませんね。
高速オフセットとしては、単なるコストカットで用紙を選ぶのではなく、企業様の戦略イメージに沿った用紙を選択いただければと思います。
コストカットに関する提案や薄い用紙への変更もぜひお任せください!
いかがでしたでしょうか?
薄い用紙に変更することでコストカットのメリットはもちろんございますが、紙の厚みによって手に渡った人への印象も異なってきます。また大量部数のチラシを印刷する輪転機は短納期で印刷できることがメリットですが、薄くなることによって想定の納期より時間がかかる場合もございます。
高速オフセットは新聞を印刷する技術力を持ち合わせているため、薄い用紙の印刷もぜひお任せください。新聞紙のような薄い用紙を使った業界紙や、チラシの印刷実績が豊富にございます。
薄い用紙に変更することで
・「印刷の品質が下がることが不安だ」
・「新聞用紙のような薄い用紙に印刷したい」
という方もぜひ一度、大ロット印刷が得意な高速オフセットへお気軽にお問合せください。
同じカテゴリの記事
【環境印刷】UV印刷と油性印刷の違いとは?UV印刷インキの環境対応マーク「ノンVOC・ノンVOC FREE」も徹底解説
2024.09.17
環境省が定める「グリーン購入法」が改定!適合基準と印刷用紙を分かりやすくご紹介
2024.09.03
【印刷のプロにきいてみた】フリーペーパー/情報誌のおすすめ仕様・サイズは?
2024.05.01
紙でない、とある新素材に点字印刷してみたら面白かった件【紙研究所#KAMIKEN】
2024.03.12
アイソメトリックイラストとは? 【街や建物、工場などの表現におすすめ!】
2024.02.16
ホームページの見積りはどうやって作られる?見積り時のヒアリング項目について聞いてみた
2023.08.16
ホームページの見積もりによくある「ドメイン」と「サーバー」って何? 違いをWEB担当者に聞いてみた
2023.07.31