廃棄されるはずだった植物や食べ物、資材などを、紙の原料であるパルプに混抄してできた用紙がアップサイクル紙。
アップサイクル紙の開発に取り組んでいるのは、製紙・印刷業界だけでなく、服飾系・食品系など様々な業界に広がってきています。
今回は、当社が取り扱うアップサイクル紙の中でも特に見た目がキュートな「小豆殻CoC」について特徴をご紹介いたします。
目次
1. 小豆殻CoCとはどんな紙?
小豆殻CoCとは、本来廃棄されるはずだった小豆の殻と紙の原料になる木材パルプを混ぜ合わせて作られた用紙。
紫色の見た目が、なんとも小豆を想像させますよね。
こんなにもわかりやすく小豆の殻が粉砕されて入っている用紙は珍しくありませんか?
大きく、ランダムな柄になっているのが特徴です。
この用紙の始まりは、小豆を取り扱う企業様からの「通常廃棄してしまっているこの小豆殻を、何かに再利用できないか」という言葉から始まったとのこと。
また、使われている木材パルプは、FSC®認証林を活用しているので「FSC®認証製品」となっているんです。
FSC®認証紙とは、不法な森林伐採を減らすために適切に管理・生産された木材から作った用紙です。小豆殻CoCの原材料は、全てサステナブルな社会へ向けた想いから作られているんです!
高速オフセットでは、小豆殻CoCを含む15種類のSDGs用紙を「無料用紙サンプル請求」として郵送しております。ぜひお気軽にご活用ください!
2. 特徴1:印刷では表現できない柔らかい地柄模様
やはり一番の特徴は、用紙の地柄模様。
混抄されている小豆の殻が少し赤っぽかったり、茶色っぽかったり、黒かったり・・・と1枚1枚柄が違います。
この用紙の中に混ざっている小豆の殻が混ぜ合わさってかすれたような模様になっている風合いは、正直、印刷のインクで表現するのはとても難しいです。
例えば、こちらは少し写真ではわかりづらいですが、羽毛のような質感画像を印刷で表現したもの。
色の濃淡を出す事で奥行を出すことはできますが、印刷の技術では限界があります。
用紙自体に色や柄が入っていることで、印刷のインキだけでは出しきれない表現力の幅が広がる
のも、印刷物というものづくりの魅力です。
3. 特徴2:和を感じられる用紙の質感
小豆殻CoCのもう一つのポイントが、触った時のふわっとした質感。
これは本当に、実際に用紙を手に取って感じてほしいです。
和紙のような少しざらっとした質感と、やさしい紫色で和の雰囲気を感じることができます。
印刷物って、人の手から人の手に渡っていくもの。
見た目はもちろんですが、手に取った時の用紙の質感にもぜひこだわってみてほしいです。
4. 特徴3:小豆は魔除けの効果がある⁉
小豆殻CoCの用紙メーカーのリンテック株式会社様によると、小豆殻CoCを使った印刷物がお寺で採用されたという話を聞きました。どうしてお寺がこの用紙を選んだのか?を聞いてみたところ、「小豆の赤色には魔除けの効果があるから」とのこと。
参考:リンテック株式会社様「宝くじの発祥の地としても有名な「箕面山 瀧安寺(みのおさん りゅうあんじ)」の御朱印に小豆殻CoCが採用されました。」
私たち日本人の文化として、お彼岸には「ぼた餅」を食べますよね。
これって、豆には魔除けの効果があるから、祈願を願って食べるんですって。
なんだが、これらの背景を知ると、小豆殻CoCの用紙により一層深みを感じられ、日本の伝統文化ととてもマッチしそうですよね。
5. 小豆殻CoCで作るおすすめの印刷物とは?
当社で常備在庫としてお取り扱いしている小豆殻CoCの用紙の厚みは、100g/㎡(四六判換算86㎏)。冊子の本文にも最適な少し薄めのタイプの用紙です。
帯巻/熨斗に
紙厚が薄めなので、パッケージの帯巻や熨斗として特におすすすめ。
和の雰囲気を出す用紙だからこそ、和菓子などの飲食系やお菓子メーカーの企業様などからお問合せいただくこともございます。
※当社は、食品包装向けの印刷は対応できかねますが、熨斗や帯封など直接食品に触れない部分でのご相談はお任せください。
包装紙に
用紙の薄さを最大限に活用して、包装紙としても活用いただけます。
当社が常備在庫している100g/㎡の用紙でもいいですが、もう少し薄い方が良いということでしたら、65g/㎡の用紙も流通のラインナップとしてございます。
※用紙サンプル請求でお送りします小豆殻CoCは100g/㎡(四六判86㎏)となります。
パンフレットやノート、一筆箋に
もちろんパンフレットやノートにも活用いただけます。
用紙自体に柄と色が入っているので、ロゴを置くだけなどシンプルなデザインに仕上げるのもよさそうです。
一筆箋など日本風の印刷物の表紙にもおすすめです。
文字を各部分にはできるだけ白紙寄りの紙が良いということでしたら、「kome-kami」という用紙と組み合わせるのもおすすめ。
kome-kamiは、廃棄されるはずだったお米を混ぜて作られた用紙。
お米のような色合いが和の雰囲気とも合います。
表紙は小豆殻CoC、本文はkome-kamiと用紙の組合せを工夫することで、アップサイクル紙で作られたサステナブルな印刷物を作ることができます。
無料で用紙サンプルを送付しています
高速オフセットでは、1つの紙製品から世の中を変えることができればと願い、2023年12月に紙製品を研究・開発する「紙研究所」プロジェクトを立ち上げました。
紙研究所プロジェクトでは、
作るワクワク、手に取る楽しみ。
紙の持つ“アナログな力”が
サステナブルな輪を広げるきっかけになるように
を合言葉に、SDGsの17番への貢献を目指しています。
SDGs用紙やインキ、印刷方法をご提供いただいている提携企業様はもちろん、当社に印刷製品のご発注をしてくださる企業様とともに、楽しみながらサステナブルな社会を実現していきたいと考えています。
高速オフセットでは、引き続きSDGs用紙を使用した印刷物を作りたい企業様を募集しています。お見積りや用紙サンプルの無料請求など、ぜひお気軽にお問い合わせください!
用紙サンプル請求はこちら
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