2024年2月に新枚葉工場の施工が完了し、新型枚葉機「菊全判ワイド/B1判オフセット印刷機(UV印刷+ニスコーター)」(以下、タンデム機)を本格稼働いたしました。
★新枚葉工場施工後の紹介コラムはこちらから
そしてこの度2024年6月20日に、日ごろお世話になっているお客様をお呼びし、内覧会を開催いたしました!
お客様に工場見学をしてもらうことはよくあるのですが、多くのお客様を一同にお呼びして内覧会を実施するのは、当社としても初めての試み。
ドキドキと不安で始まった内覧会でしたが、なんとか盛況のうちに無事閉会することができました。
今回のコラムでは、準備段階から当日の様子、当日の社員が語った思いなどをご紹介いたします!
目次
【企画編】新枚葉機の技術力を最大限に知ってもらう時間を作りたい
内覧会の準備が始まったのは約2ヵ月前のこと。
社員の一声から始まりました。
「『安心して仕事を当社に任せてもらうために、最新の機械と良い環境下で印刷ができる体制を高速オフセットは整えている』ことを最大限に知ってもらう時間を作りたい!」という思いからでした。
そこから、商業印刷部・営業部・デザイン部・資材部・プリプレス部など様々な部署が協力し、会社全体としてプロジェクトが進行していきました。
安心して仕事を任せられる!と思ってもらうためにはどのような内覧会にすべきか?
せっかく工場まで来てもらうのだから来てよかったと感じてもらいたいよね。
など、様々にプロジェクトメンバーで協議を重ねたところ、
新枚葉機のアピールポイントである
1.印刷スピードの速さ
2.B1サイズの乾きにくい用紙×重たい絵柄でも乾く印刷技術
3.パッケージ印刷にも応用できる 厚紙×疑似エンボス加工
この3つの絵柄をデモンストレーションで実際に印刷をして技術力を体感してもらう。
そして、空いている時間は飲み物やお菓子を食べながら高速オフセットの工場の様子を知ってもらい、普段はお客様と話す機会が少ない印刷オペレーターも、お客様との交流を持ってもらう時間をつくろう!ということになりました。
▲新枚葉工場の様子。湿度や温度に左右されやすい紙もしっかりと管理できる環境づくりを整えています。
【内覧会当日編】開始前の印刷オペレーターの緊張は最高レベルに!
いよいよ内覧会当日に。内覧会は、午前・午後の2部構成で実施いたしました。
午前は当社の営業お客様を中心に、午後は新枚葉機の機械メーカーであるリョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社様がご招待いただいた企業様向けに行いました。
今回の記事では午前の部を中心にお伝えしていきます!
こちらが午前の部の式次
注目していただきたいのは「2. デモンストレーション」の時間。
デモを行う約1時間足らずで、なんと!3つもの絵柄を差し替えて印刷することに!
通常、絵柄を差し替えて印刷するまでには、用紙を変更する、刷版を変更する、本番刷りのための印刷調子を整えるなどなど、オペレーターの準備はたくさん。本当に3ジョブを1時間で印刷できるのか?開始前からオペレーターはとても緊張した面持ちでした。
▲デモに向けて入念に最終チェックをしている印刷オペレーター。
若手印刷オペレーターに当時の気持ちを聞いてみると、
「普段は印刷機と僕たちオペレーターしかいない工場に、100人以上の多くの方が集まってきて緊張が高まりました。オペレーションのミスは許されない…!と感じました」
と語っていました。
▲緊張したと語った、若手印刷オペレーター。実は、24年入社の新入社員なんです。
逆に、ベテランの印刷オペレーターに聞いてみると、
「若手の子たちが、お客さんの前で印刷することに良い緊張感を感じているのがなんだか嬉しく感じる。きっとこの機会が彼らの成長に繋がると思う」と。
また、今日を迎えて、お客さんにどのように感じて欲しいか?と聞くと、
「正直、やっとこの日を迎えることができたと感じています。新しい機械でどれだけスムーズに印刷できるのか、私たちに安心して仕事を出せると感じてほしい」と。
印刷部では今日のためにかなりの準備とシミュレーションを重ねていたことがわかります。
一方で、工場内には続々とお客様が集まってきました!
受付では、名札と疑似エンボスがかかった紙ファイルに当社の資料を入れてお渡し。営業社員が中心になってお出迎えしました。
オペレーターも緊張していましたが、営業のみんなも緊張する気持ちは同じ。新たな機械で、今までは考えられなかったスピードでの印刷ジョブ切り替えが本当にできるのか?ドキドキです。
【内覧会当日編】いよいよ内覧会がスタート!紆余曲折あった機械導入までの道のりを語る
いよいよ本番がスタートしました。
代表取締役社長よりご挨拶
「本日はお越しいただき、ありがとうございます
導入にはとてもいろんな紆余曲折ありましたが、本日を迎えることができました。デモの実験をご覧いただき、どうか高速オフセットはいい設備を導入したと実感してもらいたいです。また、本日のことをたくさんの人に広げてもらいたら嬉しいです。本日はよろしくお願いします。」
新枚葉工場長からもご挨拶。新枚葉機を導入するまでの長い苦労と道のりを語りました。
「新工場建設・機械導入までの経緯をまず話しますと、検討を始めたのはかれこれ約7年前だったと思います。多くの会社の機械見学へ行き、世界の印刷技術を知るためにドイツへも行きました。今日みたいなオープンハウスや展示会にも足を運び、様々な方からアドバイスをもらいました。」
「正直、以前の機械は老朽化もあり、印刷物の品質の維持にかなり苦労をしていました。ですが、コロナ後の3年目、社長から機械更新の話を前向きにもらえました。上を向いて機械を導入しようと!本当に嬉しかったです。」
「機械導入にあたり、役員からまずはコンセプトを考えよう!と言われて考えることにしたんです。工場でずっと働いてきた私たちにとって、コンセプトなんて考えたこともありませんでした。コンセプトってなに?って所から始まったんです。コンセプトを決めるだけで4回はミーティングを重ねました。その結果できたコンセプトが
『多様化するこれからの商業印刷に対応して、新たな分野にも挑戦する高機能印刷』
です。」
「機械導入が本格的に決まってくると、社内からも色んな意見が出てきました。厳しい意見もありました…そんな時に皆が大切にしたのは『迷ったら、必ずコンセプトに戻る!』ということ。ぶれないコンセプトがあったからこそ、紆余曲折を乗り越えられて今日を迎えられたと思います。」
【内覧会当日編】約1時間で3ジョブのデモを実施
先ほどお伝えした通り今回のデモンストレーションでは、
1:印刷スピードの速さ
2:B1サイズの乾きにくい用紙×重たい絵柄でも乾く印刷技術
3:パッケージ印刷にも応用できる 厚紙×疑似エンボス加工
を体感してもらう3ジョブを用意しました。
ここから順にお伝えしていきます。
1:印刷スピードの速さ
新枚葉機のタンデム機は、最高速度はなんと1時間で16,200枚の印刷が出来ちゃうほどの速さを持っているんです!さらに、両面機なので1回通すだけで、表面も裏面も印刷された状態で出てくるのも魅力の1つ。
今回印刷した絵柄は、当社社内報の絵柄を使いました。
※仕様: A1サイズ(A3サイズ×4丁付)、表4色/裏4色、ミューコートネオスF 四六判90㎏
印刷の回転数が多いと印刷物の見当のブレも大きくなりやすいのですが、タンデム機は、自動に見当を調整できる機能がついています。そのため、高速回転でも見当ズレを起こしにくい、品質維持ができやすい機械となっています。
※見当…表裏の位置関係や印刷面のCMYK各色がずれないように、各色の位置を合わせること。
印刷物の端にあるこの■のマークは「見当パッチ」と呼ばれ、高速に印刷しながらカメラで撮影することで、自動で機械が見当を調整してくれるものです。
今までは、定期的に紙を印刷機から抜き、見当がずれていないかオペレーターが確認し、ずれていたらオペレーターの経験値と技術力で調整をしていました。そこが自動化することで、どのオペレーターが印刷しても、均一の品質を維持することができるようになりました。
印刷物が仕上がると、当社営業がお客様のもとへ運び、近くで印刷物を見てもらいながら説明をしました。
2:B1サイズの乾きにくい用紙×重たい絵柄でも乾く印刷技術
タンデム機は、UV印刷機となっています。UV印刷は、自然乾燥の油性印刷機と違い、紫外線を照射することで、瞬時に硬化・乾燥することができることが特徴です。
瞬時に乾燥ができるので、色が濃い・重たい絵柄でも、擦れや汚れなどのトラブルもおきづらいことがメリットになっています。
その特徴を伝えるために用意したデモの絵柄はこちら
※仕様:B1サイズ、片面4色、テイクGA-FS 四六判135㎏
当社の新聞輪転機の写真。
墨の部分が多く、なんとも擦れや汚れのトラブルにもなりやすそうな絵柄ですが・・
お客さんにもご確認いただき、「しっかりと乾いているね、色もしっかり出ている」と好評でした。
3:パッケージ印刷にも応用できる 厚紙×疑似エンボス加工
タンデム機の、3つ目の特徴は四六判385㎏相当の厚紙まで印刷できる点と、疑似エンボス加工ができること。これにより、「新たな分野にも挑戦する」というコンセプトにもあったように、パッケージ業界へも挑戦できる技術力を得ることが出来ました。
今回印刷したサンプルがこちら。
※仕様:菊全4丁付け、片面4色、サンカードK判155㎏
実はこの絵柄、切り抜くと、ビール缶を入れられるパッケージに変身するんです!
近くで見てみると、エンボス加工が施されているんです。
みなさん触って確かめて、エンボスの凸凹感を実感してもらいました。刷り上がりをその場で確かめることができるのも内覧会のいいところですね。
当社には、カッティングプロッター機も導入しているので「カット加工+組み立て」まで対応ができます。
事前にカットして組み立てたものがこちら!
ビールを入れて、内覧会ご参加の皆さまへお礼の品としてプレゼントでお渡しをいたしました。
内覧会の最後には当社の営業本部長よりご挨拶をさせていただきました。
「本日を迎えられ、社員一同感謝いたします。3月から本格稼働したタンデム機ですが、日頃は順調稼働をしているものの、約1時間で3つの絵柄バリエーションを印刷することは挑戦でした。ですが、皆さまに高速オフセットの最新パフォーマンスを見ていただけて良かったと感じております。ありがとうございました。」
【内覧会を終えて】お客様からの生の声
今回の工場見学では、来場者の方へWEBでアンケートを収集いたしました!
ご回答いただいた方や、直接お聞きしたお言葉として、「速さと大きな機械に迫力がありました!」「厚紙印刷ができるのはありがたいです」「実際にテスト印刷された物を見れてよかった」などの声をいただくことができました。
お客様からの声(一部抜粋)
・ジョブの切り替えの早さに驚きました
・導入に至る経緯の話を聞けたことがよかった
・16,200回転で動く機械と流れていく紙に興奮しました!
・普段お願いしている印刷物はこんな機械で印刷していることがわかりました。今後も校正から本番まで同じ機械で印刷してくれる安心感もあり、機械の自動化で色を合わせてくれるのもいいなと感じました。
・内覧会の開きかたが全体的によかったです
・質問させていただいた際のオペレーターの対応が良かったです
・薄紙、ポスター、パッケージの切り替えの速さが体験出来ました
・機械能力による販路の拡大を熱く感じました
・説明が分かりやすくよかったです
・実際の印刷現場を見せていただいて、新しい技術の勉強になりました
内覧会を振り返って
内覧会にご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
お客様を招いて機械を見てもらうことで、社員一同、仕事への向き合い方に更に気合を入れていかないといけないと改めて感じる時間を持つことができたと感じております。
高速オフセットでは、タンデム機を使って様々なサンプル品を作り技術力を高めていこうと考えております。
今後の続報にも期待しておいてください!
当社とお取引のある企業様、もしくは当社設備を使っての印刷をお考えの企業様向けに工場見学を行っております。
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★枚葉機特設ページはこちら
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