2021年にサービスを開始した「ハコボウヤ」は、スマホで簡単にEMS海外配送伝票が作れるサービスです。
2023年8月現在、外国人観光客が増加していることもあり、今回は実際にハコボウヤをお使いいただいている「眼鏡市場 なんば店」様にお伺いし、ハコボウヤの利便性や改善点などをインタビューしました。
▲眼鏡市場 なんば店。戎橋筋商店街の中に位置し、お店が開店する11時以降はたくさんの外国人観光客が店の前を通る。訪日需要の高まりを感じた。
PROFILE
眼鏡市場 なんば店
大井佳宏 様(以下敬称略)
Question. ハコボウヤ導入後のメリットは?
ハコボウヤで、海外配送へのハードルがぐっと下がりました。
―― さっそくですが、ハコボウヤのサービスについて、ぜひ使用感などお伺いできればと思います。ハコボウヤを導入する前とした後では、お店でのオペレーション時に何か変化はありましたでしょうか?
大井:「海外配送へのハードルが下がった」というのが一番大きな点ですね。
大井:なんば店ではコロナ前から海外配送の需要が多く、EMSを利用していました。
ハコボウヤを導入する前のオペレーションとしては、訪日のお客様に手書きいただいた配送先情報を眼鏡市場の本社に送り、本社から海外へ発送していたんです。手続きするだけで時間がかかりますし、手書きだと「何を書いているかわからない」ということもありました。
―― その当時は、あまり積極的には海外配送をお客様にご提案していなかったんですね。
大井:「お客様から要望が有ればご案内する」という感じでした。訪日のお客様が多いとはいえ、対応にかかる時間とリスクを考えると積極的にご案内できなかったですね。
大井:ハコボウヤはスマホで情報を入力していくという分かりやすさもありますし、お客様ご自身が情報入力することで、記入していただいた文字が分からないなどのトラブルもないため、積極的に海外配送のご案内ができるようになりました。
また、EMS伝票が店舗から直接出力できるのも、すぐに商品が送れるのでスムーズだと感じています。
▲ハコボウヤの画面。外国人観光客が自分のスマホで送り先を入力していく。
▲外国人観光客が入力した情報は、管理画面からすぐにEMS伝票を発行することができる。眼鏡市場なんば店では、配送に関する注意点をあらかじめ伝え、それでもEMSで配送するかどうかを外国人観光客に決めてもらうようにしているとのこと。
大井:当店では、帰国の直前にメガネを見に来店される方が結構多いんです。
―― そうなんですね。やはり観光する間は荷物を減らしたいからでしょうか。
大井:そうですね、先に観光をして、滞在期間が残り2~3日となったタイミングで買い物をされる方が多い印象です。度が入っていないメガネやサングラスなら当日にお渡しできますが、度が入ると一週間くらいかかる場合もありまして…。
大井:「一週間後じゃ受け取れない、どうにかならないの?」というときに、対応することが出来ず、購入に至らないケースが一定数ございました。
大井:その「購入に至らないケース」が、海外発送という選択肢があることで、購入してくださるお客様が増えたというのは大きかったです。
―― お客様にとっての選択肢ができたということですね。
大井:配送という手段があることで、一部は手荷物で持って帰るけど、間に合わない分は配送するなど、家族単位でまとめて買ってくれることも増えました。「送れない」となったら、もしかすると手荷物で持って帰る分もキャンセルになったかもしれません。
お客様もストレスなく購入することができますし、旅に満足して帰ってもらうという点でも、ハコボウヤは非常にありがたいサービスだなと思いました。
―― 手書きでの対応からデジタルサービスに変わったということで、ハコボウヤの画面操作はすぐに慣れましたか?
大井:慣れるまでそれほど時間はかかりませんでしたね。元々EMSを使っていたこともあり、簡単な印象でした。
▲店舗側が使用するアプリ画面。スマートフォンでEMS伝票発行までを完結。
大井:全体のマニュアルはいただいたのですが、ページ数が多かったので(笑)、1ページに要点をまとめた独自の手書きマニュアルを作っています。どのスタッフでも対応できるよう、「訪日のお客様が来店時に絶対しておくべきこと」などをまとめています。
大井:あとは、なるべく2人体制で対応し、抜け漏れが起こらないように対応しています。
▲眼鏡市場なんば店で実際に使われている卓上POP。マニュアルと共にファイリングしているのだとか。
Question. ハコボウヤの改善点は?
操作性は◎。
旅行者とのやり取りで発生する悩みが解決できれば、なお使いやすい!
―― ハコボウヤのアプリを使っていて、操作上難しいところや、改善点などがあればぜひお聞かせください。
大井:操作上難しかったというのは特に無いのですが、もし改善をお願いできるなら、バーコードスキャナーのところをお願いしたいです。
商品バーコードを読み取る時、バーコードスキャンの反応が良く、とても早すぎて…。配送したい商品以外のバーコードも読み取ってしまうことがあるんです。
▲課題となっているバーコードスキャナー。反応の良さを追求した結果、逆に使い勝手に影響してしまった。
大井:スキャンしたものを確認し、OKであれば確定ボタンを押す。という流れであれば、より使いやすいかなと感じます。
―― 確かに、スキャナーの反応はとても早いですね。なるほど、早すぎることで他のコードも読み取ってしまい、逆に使い勝手に影響しているということですね。
―― 旅行者が情報入力する画面では、なにか改善のご希望はありますか?
大井:可能であれば、入力フォームのところに日本語訳があれば嬉しいです。
訪日のお客様に「このエリアは何を入力すればいいの?」と質問された時、英語が分からないスタッフの場合、翻訳しないと対応できなくて。日本語が併記してあれば、スムーズかなと思いました。
―― なるほど、日本語表記があれば、同じ画面を見ながら答えることができますね。貴重なご意見、ありがとうございます。
大井:あと、お客様が入力を間違ってしまった「発行する必要のないEMS伝票」ができることがあります。もし可能であれば、非表示などのフラグを付けることができたら嬉しいですね。
―― 実際に使用している現場からの改善点、とても参考になります。改良を検討してまいりますね。
Question. 外国人観光客を接客する上で、大切にしていることは?
「旅ナカ」での買い物だからこそ、一緒に楽しむ接客を。
眼鏡市場 なんば店ではたくさんの外国人観光客が来られているということもあり、せっかくの機会なので、店舗での接客の様子についてもお話をお伺いしました。
―― なんば店ではコロナ禍前より外国の方がたくさん訪れていたとのことですが、2023年8月現在、外国人観光客の戻り具合はいかがでしょう。一日あたり何人くらいの方が来られますか?
大井:シーズンにもよりますが、数えきれないほど来られますね。時間帯によってはお店の中に10人くらい訪日のお客様がいらっしゃることもあります。12時頃~閉店までがピークですね。
―― 閉店時間まで外国の方が来られるんですね! どういった商品を目的に来店されるのでしょうか。
大井:当店ではサングラスの品数が多いので、店頭に置いてあるサングラスに興味を持っていただいて、入店されるというパターンがよくあります。
入店されてからは「日本製のメガネはありますか?」と聞かれることも多いですよ。
―― 日本製のメガネって、海外から注目されているのでしょうか。
大井:日本のメガネの品質は、かなり信頼をおかれていますね。あとは、「日本に来たからには日本製を買って帰らないと!」となるのだと思います。
▲福井県鯖江市の自社工場で製造された眼鏡市場のメガネ。ブランドフレームを含む一般的なメガネの不良返品率が0.9%なのに対し、眼鏡市場オリジナルメガネの不良返品率は0.4%以下。さらに自社工場で製造するメガネに限定すれば、不良返品率は0.14%まで下がるなど、驚異的な品質の安定性を誇り、高品質なメガネを提供し続けている。
―― 外国人観光客がメガネを買うフローは、基本的には日本人と同じですか?フレームを選んでから視力測定をしていくという流れでしょうか。
大井:基本的に同じです。訪日のお客様は家族やグループみんなで視力測定をされて購入されることもあります 。
―― 誰かが買っていると、連鎖的にみなさん買いたくなるのでしょうか?
大井:1人の方の視力測定をする際、お連れ様から「視力測定をしたい!」と仰っていただいたり、こちらから(待ち時間があるので)視力測定を勧めたりすることがあります。そうすると、「私も買おうかな?」と、お連れ様も購入される、ということがありますね。
―― 「日本のメガネ屋さんで視力測定をしてもらった!」という体験も、旅の醍醐味になっているのかもしれませんね。
▲「視力測定」はメガネを買うフローで欠かせない。外国人観光客にとっては旅の楽しみの1つにもなりうる。
―― 外国人観光客を接客していて、何か嬉しかったエピソードがあれば教えてください。
大井:数か月前に当店で購入された訪日のお客様が、再来日のタイミングでまたお店に来てくれる、ということがありました。購入されたときに名刺を渡していたので、「大井さんはいる?」と遊びに来てくれたんです。私だけではなく、他のスタッフでも同じことがあるみたいですよ。
―― それは嬉しいですね。接客の際に、何か気を付けていることはありますか?
大井:眼鏡市場を選んでいただいたからには、「メガネを選ぶところから楽しんでいただきたい」と思っています。
大井:来店される外国の方は、旅行中だよという方が多いです。旅って、とってもテンションが上がりますよね。だからこそ、こちらもテンションを合わせて、オーバーリアクションで対応するようにしています。「メガネを売る」ではなくて、「日本での旅行が楽しい」と思ってもらえるような接客を心がけています。
―― オーバーリアクションというのは、例えばどのような声掛けでしょうか?
大井:大阪という特性もありますが、「笑かしてなんぼ」かな、と。(笑)
サングラスをかけてもらって「似合ってるよ!」とか、「こういうサングラスはどう?」とか。とにかく笑顔で、フレンドリーに声掛けすることを意識しています。
あとは、できる限り母国語で対応すること。当店には中国のほか、韓国やベトナム、タイ、アメリカなど様々な国の方が来られます。スタッフが対応できない場合は、翻訳機を使っています。やっぱり母国語でやり取りできた方が、みなさん親近感がわくのかな、と思います。
―― そういった対応が、また遊びに来てくれるきっかけにもつながっているのかもしれませんね。
大井さん、貴重なお話をどうもありがとうございました!
眼鏡市場 なんば店に導入いただいているサービス「ハコボウヤ」の紹介サイトはこちら
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