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環境マネジメントシステム-3年間を振り返る(2007~2009年度)

自主的な努力が大きな成果に

「環境にやさしい企業を目指して」を合言葉に、07年4月に運用を開始した当社の環境マネジメントシステム(EMS)が、最初の3カ年を経過し、新しいステップに入りました。これを機会に、3年間の活動の成果をまとめました。

-電力使用量削減-

3年間の削減量 計203万kWh(06年度比▲9.03%)。
標準的な世帯の年間使用量(300kWh)だと、6,766世帯分を節約。

本社・堺の電力使用量

-事務用コピー用紙の使用量削減-

3年間の削減量 150万枚(06年度比▲55.9%)。
すべて広げると93,555平方メートルで、サッカーのフィールド23.1面分に敷き詰められる紙を節約。

事務用コピー用紙の使用量・A4換算

-一般廃棄物の容量削減-

2年間の削減量は13万2,000リットル(07年度比▲39.3%)。
家庭用の風呂(200リットル)で660杯分のゴミを減らした。

一般廃棄物の容量削減

-事務用コピー用紙のリサイクル-

3年目は、コピー用紙の購入量を節約したため、リサイクルに出す量も増えなかったが、それでも3年間で7.8t。軽乗用車10台分のコピー用紙をリサイクルに。

事務用コピー用紙のリサイクル

-グリーン購入-

資材部を中心に、3年間で累計50品目のグリーン購入を達成。

グリーン購入

-07年-

1月5日
秋山文一社長がISO14001認証取得へ向け「キックオフ宣言」

4月
5項目の「環境目的・目標」を定めてEMSの運用スタート

8月28~29日
審査機関による初回審査一次

10月16~17日
審査機関による初回審査二次

11月29日
ISO14001認証取得

-08年-

3月
5項目の環境目標をすべて達成。マネジメント・レビュー、環境側面の見直しなどを経て、2年目の運用へ

9月10~11日
審査機関による第1回サーベイランス(定期審査)

-09年-

3月
5項目の環境目標をすべて達成。3年目の運用へ

8月31~9月1日
審査機関による第2回サーベイランス

-10年-

3月
5項目の環境目標のうち4項目を達成。「事務用コピー用紙のリサイクル量が前年比1%増」のみ未達成。全社共通の目的・目標を「電力使用量の削減」「一般廃棄物の容量削減」の2項目に絞る、新3ヵ年計画を立てて4年目の運用へ

8月末
審査機関によるISO再認証審査へ

環境マネジメントシステム-3年間を振り返る(2007~2009年度)

高速オフセットの環境マネジメントシステムは、この3年間「環境のために何が出来るか」と社員たちが知恵を出し合い、努力を重ねて成果を上げました。いくつかの部門のメンバーに、その活動を振り返ってもらいました。

-混ぜればゴミ、分別すれば資源-

新聞印刷部は、巨大な新聞輪転機6セットを100人近い部員で動かす大部隊。使用する資源の量も膨大です。「それだけに資源のリサイクルには、特に力を注ぎました」と話すのが同部次長の園田博幸さん。従来、紙管に巻き付いたまま黒損紙(ヤレ紙)と一緒に業者に無償で渡していた使い残しの新聞紙を分別するため、08年11月、紙管から未使用の紙(白損紙)をはがす回転装置「ペーパー・トルネード」を考案。はがした紙を有料で古紙業者に引き取らせ、09年度末までに107.5tを資源化しました。

毎日新聞販売店から配送トラックが持ち帰る大量のPEフィルム、PPバンドも“ごっちゃ混ぜ”で、産廃業者に処理を任せていましたが、これも人手をかけて分別。08、09年度でPEフィルム14.1t、PPバンド9.8tを資源化しました。

園田さんは「ISOをきっかけに『混ぜればゴミ、分別すれば資源』という意識が生まれ、部員が業務の一環として全員で取り組んだ成果です」と胸を張っています。

新聞印刷部 次長 園田博幸

-各部門の運用に踏み込んだ内部監査を-

各部門のEMS運用状況を自分たちでチェックし、その後の改善につなぐ重要な役割を担うのが「内部監査」。経理部課長代行、国方慎吾さんは、これまでの計7回の内部監査のうち5回に参加しました。内部監査員は社内に約50人いますが、その中心メンバーの一人です。「最初のうちは、マニュアルの文言を理解しているか、文書や記録が揃っているかなど、形式的な事ばかり。ようやく最近、その部門がどんな運用をしているのか、部員がどれだけ意欲的に参加しているかなど、内容に踏み込んだ監査が出来るようになりました。各部門とも、ISOの仕組みへの理解度がアップしたからでしょう」と話します。

監査を担当してきた梅田本社は事務作業が中心。「自分たちで環境を意識して行動することが難しい部署ですが、それでも皆さんが緊張感を持って取り組むよう、不備な点をどんどん指摘して、チェック役の責任を果たして行きたいと思います」

経理部 課長代行 国方慎吾 内部監査員

-都市ガス・空調-省エネ意識が浸透-

商オフ輪転機を24時間体制で動かし、ドライヤー(乾燥機)もフル稼働する商業印刷部は、電力、都市ガスの使用量は社内で最大。職場推進員の副課長、三藤準二さんは部の重要課題としてエネルギー節約に取り組んできました。「一昨年10月から順次、ドライヤー内部に特殊な耐熱塗装をしたことで、09年度の都市ガス使用量を前年比1万4,000立方メートル減らすなど、いろんな試みを実施して来ました」と話します。

資材管理のため低温に設定している刷版仮置き場の冷気を、扇風機で事務室に送って、事務室の空調を止めたり、耐熱塗装の効果を生かして商オフ輪転機の操作フロアの空調を弱めたりの工夫も。ロータリートリマーや加湿器など新たな設備が増え、動力用の電力は増えたものの、空調と照明の節約で、09年度も使用総電力量はマイナス。「オペレーターも、給紙準備などで1階に下りるとき、2階の照明をこまめに消すなど、省エネの意識が浸透しています。これからも皆でコツコツと頑張ります」

商業印刷部 副課長 三藤準二

-裏紙使用の徹底と再利用運動の推進-

「梅田本社の各部では、コピー用紙の裏紙使用が、かなり徹底されて来ました。裏紙を使おうと思っても、ストックが足りなくなるほどで、皆さんキチンと守ってくれています」と話すのは、営業本部副主任、喜多洋子さん。営業フロアを中心に、事務用コピー用紙の使用量削減や、廃棄物の容量削減に目を光らせてきました。

「紙類のリサイクルも、コピー用紙、新聞、雑誌・チラシと、分別していますが、ほぼ完全。カラーコピーを裏紙に使うと機械が故障することが分かり、チラシとして処分するよう扱いを変えたので、少し混乱しましたが、もうすっかり定着しました」

年末の大掃除や棚卸しに合わせ、各自の机にある余分な文房具を回収し、再利用する運動も着実に進みました。「一定の成果が出たと思いますが、これからが大事。さらに進めるために、EMSにどう取り組むか、改めて考えなければと思います」

営業本部 副主任 喜多洋子

-ISOの新たなステップに向けて 奥田千代太郎社長の決意-

高速オフセットが、環境マネジメントシステム(EMS)に取り組んで3年が経過しました。07年4月に秋山文一・前社長が制定した「環境理念・環境方針」にあるように、総合印刷会社であり毎日新聞グループの一員でもあるわが社は、社会的に大きな責任を持つ企業として、地球規模の課題である環境問題に、真剣に取り組むことにしたのです。

同11月29日にISO14001認証を取得し、5つの環境目的・目標に全社で挑戦して来ました。その結果、電力使用量が3年間で合計203万kWhも減るなど、それぞれの項目で大きな成果を上げることが出来ました。

もちろんこの成果は、日本全体、地球全体から見れば、ささやかなものでしょう。しかし、地球温暖化や環境破壊を食い止めるためには、このような地道な努力を積み重ねて行くことが大切なのです。

私はわが社のEMSの立ち上げから関与し、運用に携わり、いろんな現場で、日常のEMS活動に取り組む従業員と話して来ました。その経験から痛感するのは、「自分たちの出来ることに、自主的に取り組もう」という機運が、社で働く人全員に芽生えつつあるということ。それこそがEMSの本当の成果だと思うのです。これまで自分たちの職場のことだけ考えていた人達が、他の部門の人と話し合い、どうしたら成果が出るか、工夫を重ねていく。従業員の意識改革が、ISOをきっかけに、少しずつ進んで来たという気がします。

これからの3年間は、新しいステップの始まりです。「電力使用量の削減」「一般廃棄物の容量削減」という環境目的も、年次を重ねるにつれ、達成が困難になり、一層の知恵と工夫が必要です。そのためにも、全員がもう一度原点に立ち返り「自分に何が出来るのか」を考えて、自主的に努力することが求められます。ご協力をお願いします。

2010年7月20日
株式会社高速オフセット
代表取締役社長 奥田千代太郎